◇第3位◇ マルホランド・ドライブ
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☆監督/デヴィッド・リンチ
☆cast/ナオミ・ワッツ ローラ・ハリング ほか
☆notes:2001年 アメリカ
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これまで見た中で、もっとも完璧な映画。すべてのシーンに緻密に計算
された意味があるし、すべてのシーンが暗示に富んでいて、映画芸術の
最高峰とまで思う作品。ただね、一度見ただけじゃまったくイミフー(意味不明)
だし、あるヒントに気づかなければ、何度見てもイミフーのまま(笑)
ただ、一つ重大なことに気づけばあとは芋づる式にすべての謎が解ける
という映画です。リンチもイジワルで、どのインタビュー見ても絶対に
「ストーリーはこことここでこうつながる」という種明かしをしてないん
ですよね。ちゃんとストーリーの種明かししてあげれば、アカデミーとか
ゴールデングローブとか、もちろんカンヌでも賞を総なめにしたんじゃ
ないかなー? すべてに意味があって、とても悲しい映画なんですが、
この圧倒的な構成とパワーにただただ脱帽! 本当に凄い映画デス。
ただ、なんとなく見ても眠くなるだけだし、まったく分かりませんという
ことになるのが確実ですので、キニナル方には「時系列順に並べた正しい
ストーリー」をコッソリお教えします(笑)
もう、7~8回観ました。観るたびにそのあまりの完璧さに溜め息。
徐々に狂気へと足を踏み入れていくナオミ・ワッツの演技が凄いですよ。
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◇第2位◇ ロッキーホラーショー
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☆監督/ジム・シャーマン
☆cast/ティム・カリー バリー・ボストウィック スーザン・サランドン
リチャード・オブライエンほか
☆notes:1975年 イギリス
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これまで見た中でもっとも衝撃を受けつつ、もっとも楽しかった映画。
初めて観たとき、観終わってすぐにテープ巻き戻して、もう一度観ました。
1970年代のイギリスのロックが息づいていて、音楽がなにしろ最高なんですが、
そんなことよりこのあまりにB級な映画作りはどうでしょうか!
全体的に「オアソビ」だけで作った作品で、それがもうどのシーンもあまり
に素晴らしすぎる!
もう10回ぐらい観ました(笑)
全体のトーンを決定している明るさ、無軌道さ、そしてシニカルな笑い、
テンポの良さと楽曲のよさ、コスチュームの素晴らしさ、演じる役者の
ハマリ具合、どれをとってもまさに映画史に残る金字塔!
世界各国にディープなファンがいて、いまだに毎年どこかで上映会が催され
ているのも納得です。その上映会ではみんなコスプレで見に行くそうなんですが、
なんてうらやましい!
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◇◇第1位◇ レニングラードカウボーイズ・ゴー・アメリカ
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☆監督/アキ・カウリスマキ
☆cast/マッティ・ペロンパー レニングラードカウボーイズほか
☆notes/1989年 フィンランド・スウェーデン
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1位です。ロッキーホラーショーとこれとでずいぶん迷いましたが、今の気分
はこちら。わずか78分の短い映画なんですが、いや~、素晴らしいですよ。
これぞまさにアキ・カウリスマキの原点、黙って何も喋らない登場人物を
観ててなんでこんなに笑えてくるのか、不思議な映画です。
もう、観てる間ず~っとクスクス笑が止まらないんですが、1度見ただけだと
あの味はちょっと分かりにくいかもしれません。2度目に見たときから
可笑しくてしょうがなかった。
スーパーリーゼントに固めた「レニングラードカウボーイズ」がロシアから
アメリカに上陸するロードムーヴィーなんですが、最初の1曲、
「ポーレシュカ・ポーレ」はバンドのメンバー全員、地味ながらものすごく
ノリノリで演奏してるんです。しかしアメリカに行ってロックンロールを学んで
演奏するようになるにつけ、徐々にノリが悪くなるあたりも微妙に面白い。
ほぼマンガの世界なんだけど、こんなに楽しい気分にさせてくれる映画は
なくて、最高の作品。死ぬまで観続けたい映画です。
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